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特定看護師について知る
特定看護師とは?
チーム医療を推進し、看護師が役割をさらに発揮するために2015年から創設されたのが、「特定行為に係る看護師の研修制度」です。特定行為研修を修了し、高度な知識や判断力があると評価されると、看護師が医師の判断を待たずに手順書により、一定の診療補助を行うことが可能となります。特定看護師には、患者さんの状態を見極め、より一層タイムリーな対応をすることなどが期待されています。
Support滋賀医大で
受けられるサポート
特定行為研修の受講を検討している段階から、「看護師特定行為研修センター」や「特定看護師活動支援室」に相談することができます。部署では看護師長が中心に、特定看護師の育成から活動を支援しています。また、研修費用の個人負担が免除になる助成制度や、研修前にe-Learningで事前学習ができる受講前学習制度などで研修受講希望者をサポート。さらに、研修中は講義や臨地実習を勤務扱いとし、仕事と研修の両立も支援しています。
滋賀医大で活躍する特定看護師
滋賀医大では、複数の領域で、特定看護師が活動をしています。特定看護師は「医師の包括的な指示」としての「手順書」に基づいた特定行為を実施しますが、どの領域の特定看護師もその行為そのものを目的としていません。大切なのは、その特定行為が患者さんにとって、安全で安心していただけるものにつながるかどうか。患者さんにとって「より良い」医療・看護を提供するために、それぞれの関わりを振り返り、次に出会う患者さんに活かせるよう日々努めています。
特定看護師は、手術室やICU、救急病棟などその他の病棟を含む複数の部署に配属されており、自己の修了した特定行為について手順書をもとに特定行為を実施しています。現在呼吸器関連の特定行為(気管チューブの位置調整や、人工呼吸器の設定調整、鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱など)や動脈血液ガス分析、循環動態に係る薬剤投与の調整などが多く実施されています。その他にもPICC挿入や気管カニューレの交換、膀胱ろうカテーテルの交換も実施しています。またチーム活動として、集中ケアの訓練を受けた特定看護師が主体となり、CCOTとして患者の重症化や急変を予防することを目的とした病棟巡回を行っています。他にも神経難病等の患者さんに対して、特定看護師が多職種フォローアップ外来を行い人工呼吸器の導入や在宅での療養支援を実施しています。
特定看護師の声
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 / 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 / 循環器関連 / 動脈血液ガス分析関連、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 / 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 / 術後疼痛管理関連、循環動態に係る薬剤投与関連 / 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
特定看護師
2015年入職
2015年入職、ICUで勤務するうち患者さんの苦痛を目の前にして、すぐに対応できないことにもどかしさを感じ、自分にできることがあればという思いで特定行為研修へ。2022年に研修を修了。ICUに所属し特定看護師として勤務。
特定看護師は、臨床推論という思考のプロセスを学んだプロフェッショナル。看護師として患者さんのそばでケアを行いながら、その些細な変化にきづき、状態を把握したうえで緊急度や重症度を正確に解釈・予測します。そして医師の手順書指示書に基づき、やるべきことを迅速に判断して実践することで、患者さんの状態を整えることがその役割。その後も回復支援を行い、患者さんのQOLの向上に貢献します。
私が初めて特定看護師として対応したのは、心臓血管外科の術後の患者さんでした。今まで医師から指導を受けたことを思い出しながら降圧剤や鎮静剤の調整を行い、人工呼吸器からの離脱訓練を実施しました。無事に人工呼吸器から離脱でき、挿管チューブを抜くことができました。患者さんとお話しすることができた時は、血圧の変動や苦痛を最小限にとどめられたのではないか、スムーズな治療のサポートが出来たのではないかと思い、特定看護師として安全に特定行為が実践できて良かったほっとしました。
ICUでの特定看護師の活動は、医師との連携を図り、患者さんの症状や状態に合わせてタイムリーな介入を行い、異常の早期発見、状態改善に向けた迅速な対応を行っています。また、学んだ知識を活かし、臨床推論や病態判断など他の看護師の疑問解決や教育的視点で関わり、多職種が効果的に専門性を発揮できるようチームの調整役として、チーム力を高められるよう関わっています。今後は、スキルアップを図るとともに、これから特定看護師を目指すスタッフの相談役としての役割を担っていきたいと思います。
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 / 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 / 動脈血液ガス分析関連、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 / 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 / 術後疼痛管理関連 / 循環動態に係る薬剤投与関連 / 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
特定看護師
2019年入職
2019年入職。元々ICUで勤務していましたが一般病棟への異動をきっかけに、タイムリーな患者介入が可能な特定行為の必要性を強く感じ特定行為研修へ。2022年に研修終了。救急外来・救急病棟で特定看護師として勤務。
私は、救急科外来・病棟で勤務しており、臨床では急性期にある患者さんの人工呼吸器の管理や動脈穿刺による評価、神経難病患者の非侵襲的陽圧換気(NPPV)導入や調整などの活動を行っています。新人教育のフィジカルアセスメント研修の担当をすることもあります。神経難病の患者さんは徐々に呼吸筋が弱まっていき、病状の進行に合わせた呼吸器によるサポートが必要になります。急性期領域における特定看護師としての役割は、SAT(自発覚醒トライアル)/SBT(自発呼吸トライアル)を正しく評価し、呼吸器からの離脱が目標になります。神経難病の患者さんの呼吸管理を担当することで、「呼吸器を外すこと」ではなく、「患者の呼吸に呼吸器設定を合わせる」視点が重要であり、それが患者さんのQOL向上につながるということを学びました。また、神経難病の患者さんの退院後も、多職種フォローアップ外来で特定看護師として継続しフォローすることで、患者さんの安心につなげています。
今後も自身の特定行為スキルを磨き臨床で実践していくこと、また、行為の実践にこだわらず、その知識や技術を指導に活かすことで、看護スタッフ全体の能力向上につなげたいと考えています。特定看護師の活動が患者さんの満足度向上、組織への貢献の一助になるように精進していきます。
お話を聞いて…
看護師としての経験や勘だけではなく、看護の視点と医学的視点を持って医師とディスカッションする特定看護師。その熱い姿勢の向こうには、「患者さんの一番近くにいるのは自分たちだ」というプライドが滲んで見えました!