看護師になって20年が経った頃、この先のキャリアを考えました。看護師長という立場でやりがいもある、しかしもう一度1人の看護師として働いてみたい。専門看護師を志したのは、このような思いからです。不安や苦しみを患者さんご自身が乗り越える姿を何度も見てきました。病気になると誰しも不安になり、怒ったり、弱くなったり、その人の中からいろいろな反応が出てきます。それを私は「人間らしい」と思うのです。精神看護の専門的なスキルを身に付け、こうした患者さんに寄り添いたいと思いました。リエゾンとは、「つなぐ」「連携する」という意味があります。例えば、急に身体疾患を抱えた患者さんが精神的に不安定になった時に行う、こころと身体をつなぐ専門的なケア。直接支援する場合もあれば、担当看護師の相談に応じて後方支援する場合もあります。また、看護師のメンタルヘルスのサポートも重要な仕事です。患者さんが「その人らしく」療養でき、看護師が「その人らしく」働けるよう活動を続けていきます。