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わたしの看護3

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患者さんとより良い関係を築くには、
「知ろう」とする気持ちが大切。

中嶋ひかる 6C病棟/2018年入職

私が所属している6C病棟は糖尿病分泌科、腎臓内科、脳神経内科、放射線科の混合病棟で、教育入院目的の患者さんから神経難病の患者さんまで、幅広い疾患の方が入院をされています。入職してから2年を迎えた私は現在、バイタルサインの測定や点滴投与などのほかに、介助浴や食事介助といった日常生活援助をするのが主な業務。慢性期病棟であるため、退院後の療養先を調整するためにカンファレンスを開催したり、自宅退院のため医療器具について指導的介入をすることもあります。看護をする上で大切にしているのは、患者さんと良い関係を築くためにしっかりと観察し、「今どんな気持ちでいるのか」「何を必要とされているのか」を感じ取ることです。そのためには入院前の生活や価値観を「知ろう」とする気持ちが必要だと考えています。

入院前後の暮らしに思いを伸ばす
先輩たちから教えてもらったこと。

看護の基本は「知ろう」とする気持ち。私がそんなふうに考えるようになったのは、入職後に退院支援カンファレンスに臨む先輩たちの姿を目にしたことがきっかけでした。その場では実に幅広い議論が繰り広げられます。症状のこと、ご家族のこと、ご自宅のこと、患者さんご本人の思い……。先輩看護師たちはそうしたさまざまな情報を日々の関わりの中から見つけ出し、少しでも望む暮らしに近づけられるように意見を交換しあっていました。それまでの私は処置の方法や手順など、表面的なことばかりに気を取られていました。しかし、それだけでは不十分。患者さんの言葉や表情、仕草、振る舞いの一つひとつをつぶさに観察し、なぜそのような発言にいたったのか、どうしてそんな行動を取られたのか、その背景にも思いを巡らせなければと、強く意識するようになりました。

耳を傾ける、
その姿勢をこれからもずっと。

「知ろう」とする気持ちや、お話に耳を傾ける姿勢は、退院支援の場だけではなく、患者さんとの関係性を良くすることにもつながると思います。先日、治療の都合で久しぶりの入浴となった患者さんを介助させていただくことがありました。その方とはそれまで簡単な会話程度しかコミュニケーションを取れていなかったのですが、久しぶりにリラックスできる時間であったことも手伝ってか、ハンドマッサージをする私にポツリポツリと多くの話を打ち明けてくださいました。そして、その日を境にお話をする機会も増え、退院後にはわざわざお手紙をご持参いただくほど、信頼関係を築くことができました。決して特別な看護や処置でなくても、「知ろう」とする気持ちや、お話に耳を傾ける姿勢を持つことで、患者さんにお喜びいただける。そのことを改めて教えていただくことができました。
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